美容室のフェイスシールドマスクの選び方|装着のメリット・デメリット
2023年5月8日から新型コロナウイルスの感染症法の位置づけは5類に移行されました。
新型コロナウイルス対策となるマスクの着用は自己判断となり、街を歩くとマスクを外している人も見受けられるようになってきました。
しかし新型コロナウイルスがなくなったわけではなく、対策をしなくて良いというわけではありません。
美容室は接客業なのでお客様に気持ちよく施術を受けていただかなければいけません。
美容室でフェイスシールドマスクを使うメリットとは?
デメリットはあるのか?
フェイスシールドマスクの選び方のポイントとは?
美容室でのフェイスシールドマスクの使用について、まとめました。
美容室でフェイスシールドマスクを使うメリット
アフターコロナの時代になったとしても、美容室での感染症対策は必要です。
フェイスシールドマスクを使用すると、以下のようなメリットがあると考えられます。
- 笑顔が見えて安心できる
- お客様の輪郭や顔が見える
- マスクより呼吸が楽
- 繰り返し使用できる
- 蒸れないのでメイク崩れなし
- 熱中症対策になる
笑顔が見えて安心できる
美容師の持っている技術はもちろん重要ですが、それだけではお客様のリピートにはつながりにくいでしょう。
美容師に限らず接客業をするのであれば、笑顔を見せて接客するとお客様の満足度が上がるといわれています。
好印象が与えられると、リピートにつながったり、良い口コミが広がったりするでしょう。
コミュニケーションがとりやすい印象を与えられますので、お客様との会話のきっかけ作りにもなります。
不織布マスクでは顔が半分隠れてしまっていて口元が見えないため、フェイスシールドマスクの方が笑顔を見せられます。
お客様に安心して施術を受けていただく、満足度を高めていただく、といった面で美容室でのフェイスシールドマスクがおすすめです。
お客様の輪郭や顔が見える
カラー剤やパーマ液が付着してお客様のマスクが汚れるのを防ぐために、替えのマスクをお渡ししているという店舗もあるでしょう。
お客様用のマスクをフェイスシールドにした場合、お客様の顔全体を見られますのでより似合うスタイルを追求できるようになります。
輪郭やメイクの雰囲気によって、似合うスタイルは違います。
似合うスタイルに仕上げられればお客様の満足度も上がりますので、お客様用のマスクをフェイスシールドマスクにするというのも感染症対策のひとつとなるでしょう。
マスクより呼吸が楽
不織布マスクは鼻の上までマスクで覆わないと感染症対策として不十分だという認識があり、苦しさを我慢しながら装着しているという方も多いでしょう。
不織布マスクが苦しいのは、マスク内の酸素低下や温度上昇により体に負担がかかっている状態です。
美容師のように接客業だとカウンセリングだけでなく、お客様とのコミュニケーションのために会話も欠かせません。
お客様の目の前でマスクをずらすのは望ましい行為とはいえませんので、快適に接客をするためにもフェイスシールドマスクがおすすめです。
繰り返し使用できる
不織布マスクは使い捨てが基本ですが、フェイスシールドマスクは消毒洗浄して繰り返し使用できます。
厚生労働省の「サージカルマスク、長袖ガウン、ゴーグル及びフェイスシールド、の例外的取扱いについて」にも継続使用について明記されています。
フェイスシールドマスクは破損していない限り、継続的に使用できるものとなりますので、丁寧に使用すれば経済的にもメリットとなります。
水洗いだけでは菌が残ってしまう可能性がありますので、中性洗剤などでよく洗い、消毒するようにしましょう。
蒸れないのでメイク崩れなし
不織布マスクを着用すると、摩擦と湿気でメイク崩れしてしまいます。
コロナ禍では、マスクを付けるからといった理由で口元のメイクを省略する女性もいましたが、マスクの摩擦で肌に負担がかかりますし、接客業でノーメイクというのも違和感があります。
フェイスシールドマスクであれば蒸れる心配はありませんので、メイク崩れの懸念もありません。
熱中症対策になる
不織布マスクの着用は、酸素の低下やマスク内の温度の上昇により苦しさを感じます。
意外と喉の渇きを自分で感じにくいという指摘もありますので、水分補給を怠ってしまい熱中症になるという危険があります。
美容師は激しい運動をするわけではありませんが、1日中立ちっぱなしで体力の必要な仕事です。
室内で冷房が効いているという理由で熱中症を軽視しがちですが、きちんと対策をしておかないと危険です。
不織布マスクよりもフェイスシールドマスクの方が通気性がよいので、熱中症対策のひとつとして効果が期待できます。
美容室でフェイスシールドマスクを使うデメリット
美容室での感染症対策にフェイスシールドマスクを使用するには、以下のようなデメリットもあります。
メリットと合わせてデメリットも、きちんと確認しておきましょう。
- 左右からの飛沫に弱い
- 髪型が崩れやすい
- 表面を触れないように注意が必要
- 頭痛や目の疲れを感じる人もいる
左右からの飛沫に弱い
フェイスシールドマスクは、不織布マスクと同等の効果が期待できるかはわかっていないものもあります。
相手の飛沫を防ぐ効果はあると考えられますが、フェイスシールドマスクの形状によっては左右からの飛沫に弱いものもあるでしょう。
製造しているメーカーによって形に差がありますので、感染症対策がきちんとできているタイプかを確認してから購入した方がよさそうです。
髪型が崩れやすい
フェイスシールドをするのであれば、髪型も考えておく必要があります。
美容室でお客様の接客をする上での感染症対策は欠かせませんが、フェイスシールドマスクをしているからといって美容師がボサボサの髪の毛ではいけません。
お客様にスタイリングの説明をしたとしても、「この美容師さんで大丈夫かな」と不安にさせてしまっては、せっかくの感染症対策も逆効果です。
表面を触れないように注意が必要
フェイスシールドマスクは何度も繰り返し使用できるというメリットがありましたが、洗浄や消毒が必要です。
取り外しや洗浄の際に、表面や内側の面を素手で触れてしまうと菌に触れてしまう可能性があります。
営業中の取り外しは特に注意をし、フェイスシールドマスクに触れた後は手を洗うといった意識をもっておくようにしましょう。
頭痛や目の疲れを感じる人もいる
フェイスシールドマスクの着用によって頭を締め付けられたり酸素が薄くなるので、頭痛を感じる人もいるようです。
またフェイスシールドマスクを通した視界になるため、常に少し歪んだ視界になります。
字を読んだり、細かい作業をしたりする際には、目の疲れにも注意が必要です。
フェイスシールドマスクの選び方
フェイスシールドマスクは多くのメーカーから販売されており、さまざまな種類があります。
美容室で使用する際には、どのような点を比較してフェイスシールドマスクを選べば良いのかについて解説します。
- 装着感の良さで選ぶ
- 曇り止め加工されているか
- 可動式は水分補給がしやすい
- 30g以下の軽量タイプがおすすめ
- お手入れはしやすいか
装着感の良さで選ぶ
フェイスシールドマスクを装着するスタイルには、以下のような形があります。
個人的な好みもありますが、美容室の店舗で購入するのであればメリットやデメリットを比較して適切なタイプを選びましょう。
- カチューシャ型
- メガネ型
- ヘッドバンド型
カチューシャ型のフェイスシールドマスク
カチューシャ型は、カチューシャのように頭部の前で支えるフェイスシールドマスクなので、ベルトで頭を固定する必要がありません。
髪型に影響が出にくく化粧も崩れにくいというメリットがあります。
頭の形に合わないフェイスシールドを選んでしまうとズレやすくなってしまいますので、きちんと合うものを選ばなくてはいけません。
カチューシャ部分が柔らかいものだと、ストレスなく長時間使用できるでしょう。
メガネ型のフェイスシールドマスク
メガネ型とは、メガネと同じように耳にかけるタイプのフェイスシールドマスクです。
髪型が崩れる心配がなく、サッと着脱できるのが大きなメリットです。
耳だけで支えるフェイスシールドマスクなので、重さがあると落ちやすくなったり、耳が痛くなる可能性もあります。
普段からメガネを着用する方は、併用できるタイプを選ぶようにしましょう。
ヘッドバンド型のフェイスシールドマスク
ヘッドバンド型とは、頭部にグルリとベルトを巻いて固定するタイプのフェイスシールドマスクです。
バンドを巻いているのでズレないというのが大きなメリットですが、髪型は崩れやすいタイプといえます。
ベルトを長時間巻いていると、頭に痛みを感じる方もいます。
サイズが豊富であったり調節ができるもの、クッションが付いているタイプだと負担が少なくなるでしょう。
曇り止め加工されているか
フェイスシールドマスクは呼吸によって熱気や湿度がたまると、曇って視界不良になったり、コミュニケーションがとりにくくなってしまいます。
そのため曇り止め加工がされているフェイスシールドマスクを選ぶと、快適に作業ができます。
特に梅雨は湿気がこもりやすく、冬場の寒い時期は呼吸が原因で曇りやすくなります。
曇り止めスプレーを使用するという方法もありますので、さらに効果を高めたい場合は併用してもいいでしょう。
可動式は水分補給がしやすい
可動式のフェイスシールドマスクなら、上に持ち上げただけでサッと水分補給ができるようになります。
美容室での勤務は長時間になりますので、可動式の方が便利です。
美容室の店舗で従業員分をまとめて購入するのであれば、好きな角度に調整できるものや、可動域が広いタイプが使いやすいでしょう。
30g以下の軽量タイプがおすすめ
フェイスシールドマスクを長時間付けるとなると軽量化されたものがおすすめです。
美容師のように長時間の着用になると、首にも負担がかかるかもしれません。
目安となるのは30gです。
軽量化されたものでも慣れないものを付けていると疲れは感じるはずなので、できるだけ負担の少ないものを選びましょう。
お手入れはしやすいか
フェイスシールドマスクは不織布マスクとは違って、繰り返し使用できます。
美容室のスタッフが使用する場合には、1人1つを繰り返し使用するようになるでしょう。
普段の業務の後にフェイスシールドマスクの洗浄という仕事が増えるので、
お手入れのしやすいタイプを選んでおくのがおすすめです。
パーツの取り外しが可能、丸ごと水洗いができる、というような点も確認して購入するようにしましょう。
フェイスシールドマスクを導入する業種とは
美容室以外の場所でも、以下のような現場でフェイスシールドマスクが使用されています。
- 飲食店
- 小売店やデパート
- 教育現場
- エンターテインメント業界
- 医療現場
飲食店
新型コロナウイルスが5類に移行されたとしても、飲食店では飛沫が気になるものです。
従業員の衛生対策は必須ですし、お客様がマスクを外すというシチュエーションなので従業員を守る方法としてもフェイスシールドマスクが重宝します。
小売店やデパート
小売店やデパートといった接客の場面では、従業員の笑顔が見える方がお客様とのコミュニケーションがスムーズです。
お客様に安心して買い物をしてもらい、満足度アップにつなげていきます。
教育現場
口元が見えた方が良いとされる教育現場でも、フェイスシールドマスクが用いられます。
小さな子供と触れ合う保育士、教師の表情が見えないと子供が不安になってしまう支援学校の教諭、英語の発音を口元から指導したい英語教師などが挙げられます。
エンターテインメント業界
テレビや演劇といったお芝居の場では、表情が見えた方が良い仕事ができます。
また出演者とコミュニケ―ションを取りやすくするために、監督やスタッフもフェイスシールドマスクを使用する場合もあります。
医療現場
医療現場では不織布マスクと併用して、フェイスシールドマスクを使用します。
個人用防護具として、患者さんの咳やくしゃみによる飛沫が目に入るのを防ぎます。
フェイスシールドマスクで安心な接客を
フェイスシールドマスクを美容室で使用するには、メリットもデメリットもあるでしょう。
お客様と円滑なコミュニケーションが取れるようになりますが、合わないものを着用すると疲れの原因になります。
スタッフを守るはずのフェイスシールドが負担になってしまってはいけませんので、使いやすく負担の少ないものを選ばなくてはいけません。
装着感の良さや曇り止め、可動域や重さを確認して、適切なフェイスシールドを選びましょう。