パーテーション設置による飛沫防止対策などを実施し、従業員が働きやすい職場環境を整えることは重要です。近年は環境づくりの方法で光触媒の活用にも注目が集まっています。光触媒の基礎知識を押さえておきましょう。

企業にとって、従業員が働きやすい環境を整えることは重要な項目の一つです。安心・快適な職場環境づくりは、生産性や作業効率の向上などにもつながると考えられています。様々な対策方法がある中、光触媒技術を搭載した機器の導入を検討する企業は多いです。耳にする機会も増えてきた光触媒ですが、具体的なことはわからないという声も少なくありません。こちらでは、光触媒についてご紹介いたします。

注目が高まる光触媒

太陽光や蛍光灯などの光に当たることで、化学反応を促進する物質が作られます。この物質を総称したものが光触媒です。光触媒そのものは不変ながら、他の物質に対しては脱臭・抗菌・防汚などの変化をもたらします。また、親水性も有しているため、光が当たった部分の表面が水になじみやすくなります。

光触媒が普及した背景

実は、光触媒は日本で発見された物質ということをご存じでしょうか。1967年、東京大学の本多健一氏と藤嶋昭氏が実験中に偶然、光触媒の主材料である酸化チタンの作用を発見します。この現象は本多・藤嶋効果と呼ばれるようになり、現在では世界中にその存在が認知されています。

光触媒は当初、水から水素を取り出す方法として主に活用されていました。一旦は実用化に向けた研究がストップしたものの、強い酸化力によって汚れなどを分解する性質を活かした研究がスタートします。その後、病院のタイルとして応用されたのをきっかけに、様々な製品で光触媒を採用するようになったといわれています。

一般的な用途とは？

幅広いシーンで活躍が期待される光触媒の用途として、一般的に以下のようなものがあります。

・空気の浄化

まず空気の浄化は光触媒の性質を利用して、大気や屋内の空気中に漂う汚れなどを分解することが目的です。例えば、道路の防音壁や舗装道路などへのコーティングに応用するケースがあります。また身近なところだと、空気清浄機・脱臭機・エアコン・家電品などのフィルター、壁・障子などの内装材に光触媒を導入し、商品化されています。

・セルフクリーニング

光触媒の親水性により、セルフクリーニングの面でも活躍しています。先で触れたように水になじみやすくなることから、汚れが付着した際も比較的容易に洗い流せるのです。建築物の外壁や屋根、ガラスといった屋内外の建材、自動車のミラーなどが対象として挙げられます。その他にも蛍光灯、トンネル照明、標識、太陽光パネルなどの広い範囲で光触媒のセルフクリーニング作用が使われています。

様々な場所で活用されるようになった光触媒は近年、屋内での活用も進んでいます。光触媒を採用した製品が多彩に登場する中、オフィスや店舗における環境整備の選択肢も広がっているといえるでしょう。

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